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【芦沢製疊(あしざわせいじょう)】約56年続く日野市の歴史ある畳屋さん

今回は創業約56年の歴史を誇る日野市の畳屋さん「芦沢製疊(あしざわせいじょう)」さんへお邪魔させていただきました。

日本人の性なのか、井草の香りがする畳の部屋に入るとなぜか心が落ち着くんですよね。あれはなんでなんだろう?

畳(イメージ)

畳の作り方・匂い秘密だけでなく、畳業界など興味深いお話しを聞くことができました。勉強にもなりますので、ぜひ読んでみてくださいね!

芦沢製疊へのアクセス

芦沢製疊(あしざわせいじょう)外観
住所東京都日野市日野629
営業時間8:00-17:00
定休日日曜日
電話番号0425813866
ホームページhttps://www.ashizawa-seijou.jp/
Instagram公式Instagram
駐車場1台(店舗裏手)
最寄り多摩都市モノレール「甲州街道駅」より徒歩約4分
JR中央線「日野駅」より徒歩約15分
※最新の情報は直接お店にお問合せください

日野市の歴史ある畳屋

昭和41年に芦沢畳店(芦沢㈱日野支店)として創業され、現在は2代目の芦沢正成さんが継承されています。

創業以来約56年「まちの畳屋さん」として多くの方に利用されています。

2代目芦沢正成さん

畳だけではなく、襖(ふすま)・壁紙(クロス)・障子(しょうじ)の張り替え、ドアの修理なども行っていて、和空間のリフォームなどトータルで相談・依頼することが出来ます。

和空間リフォーム(一例)

一般家庭のご依頼ももちろんですが、市のお仕事も受託されている安心の信頼と実績のあるお店です。

伝えられる大切な技

サービスの詳細・お客様の声や実績などは公式ホームページよりご確認いただけますので、ぜひご覧ください。

畳の香り成分って実は…

畳と聞くと連想されるあの井草のいい香り!

実は畳の匂いは、バニリンというバニラと同じ匂い成分が入っており、嗅ぐだけで神経のストレスを緩和する効果があるとされています。

またバニリンは赤ちゃんの飲むおっぱいの匂いにも含まれており、哺乳類が本能的に好きな匂いなんだそうです!

赤ちゃんイメージ

あの包まれるような安心感は、そこからきてるんですね!特に匂いに敏感な動物たちにとっては快適な環境なんです。

畳と猫・ごろごろ

お店の前に製造過程で余った畳の切れ端が自由に持ち帰りできるように置いてあります!

お店前

畳の匂いをお求めの方、持ち帰って家で癒しの香りを!

お店前

他にも畳の材料が置いてあるため、気になる方はぜひ活用してみてください!

お店前

ただ廃棄するのではなく、無料で提供し別の用途で再利用してもらうSDGsの取り組みが素敵ですよね。

お店前

畳ができるまで

それでは、畳作りを見ていきましょう!

芦沢製疊さんでは3台の機械を使って作っていきます…待て待て!!

畳は床(とこ)に畳表(たたみおもて)を縫っていくことから「作る」ではなく「縫う」と表現するそうです!勉強させていただきました!

気を取り直して、まずは1台目の機械!

この機械では、防虫紙を貼った床(とこ)の短い辺に畳表(たたみおもて)を縫い付けます。その後はみ出た余計な部分をカット!

床に畳表をのせ、位置を調整
短い辺が縫われています

2台目!次はこちらの機械で、長い辺に畳表を縫い付け、同時に縁の片側も縫いつけていきます。

畳縁(たたみべり)
裏返っている畳縁

縁にはこんな可愛い水玉模様もあったりと、デザインによって印象がぐっと変わります!

かわいい水玉模様の畳縁

縁の片側が太い糸でしっかりと縫い付けられているのが分かります。

縁部分

3台目!最後にこちらの機械で、先ほど縫い付けた縁を折り返し、もう一方の面にしっかりと縫い付けます。

縁部分

肉厚で繊維の太い国産の畳はオレンジ部分のようにぎゅっと盛り上がるため・・・

上質だからこそできる折りじわ

畳表の折じわを消すローラーで調整し、仕上げ!最後に表面を掃除できれいにして完成です。

ローラーで調整

1つの畳を縫うのに約30分ほどかかり、2人で分担すると約15〜20分ほど。頑張れば1日で20枚ほどの畳を縫うことが出来るそうです。

畳作りには技能資格がある!?

縫われてる途中で芦沢さんが「試験では4種類の大きな包丁を使い分ける必要がある」とおっしゃっていて、試験?と思ったのですが・・・

実は畳には「畳製作技能士」という資格があり、特に芦沢さんが所有している1級は実務経験7年以上が必要で、さらに制限時間内に1帖全てを手縫いで仕上げなくてはいけない難易度の高い試験になっています。

現在では機械作業が増えたとはいえ、畳に対する十分な知識豊富な経験をもっている「畳製作技能士」さんが縫い上げる畳はアフターケアも含めて安心できます!

畳業界と畳の環境の変化

近年では木造の風通しの良い建物から、暑さや寒さなどを外気から家を守る機密性の高い建物が主流となり、畳も時代に合わせて変化しています。

従来は畳表を縫い付ける床(とこ)に(わら)を主に使用していましたが、機密性の高い場所では多湿になり、カビや虫がわきやすくなるため、現在ではチップ木片・オガクズを圧縮し固めた建材床やボードなどを使用することが多く、ダニやカビの発生リスクを抑えています。

建材床・ボードを使用

また畳の原料になる井草や藁を育てる畳農家も年々数が減り、約3,000軒から現在では約300軒と大きく数を減らしています。またその生産地は90%以上が九州の熊本とあって、

国産の井草は仕入れが集中し、安い物の取り合いではなく、いかに上質なものを確保るかの激しい競争になっているそうです。

九州熊本の国産井草

中国産は大量に作ることに重きを置き、短時間で育てて収穫するため、色や太さにばらつきが出ます。

一方で国産はじっくり育て・選定・乾燥するので、太くて均一、ムラが少ない井草になり、繊維が詰まっていて耐久性が高く、弾力性があり踏み心地も良くなります。

徹底した品質管理

しかし、ここで大きな問題があります!井草の状態であれば見分けがつくのですが、畳になった状態での見た目は畳職人の方が見てもほぼ分からないそうです。

それゆえに、安価に手に入る中国産を使用しているにもかかわらず、国産として売られている産地偽装された畳が市場で出回っているのも事実です。

芦沢製疊ではお客様に安心していただけるように、公的機関の検査を通し、JASマークを付けるようにしています

また生産者さんと井草の育てた過程(いつ肥料をあげたか・収穫したかなど)の情報がわかるタグも一緒につける取り組みもされています。

こうした徹底した品質管理で、お客様に誠実に向き合い、安心と信頼を得ているため、長年みなさんに愛されるまちの畳屋さんになっているのだなと思いました。

まとめ

今回は芦沢製疊(あしざわせいじょう)様を紹介させていただきました!

幼い頃から慣れ親しんでいる畳ですが、知らないのことがたくさんあり、大変勉強になりました。

日野市に約56年も続く歴史ある畳屋さんがあることをまず嬉しく思い、そして芦沢製疊のみなさんの人柄が、畳の香りのように温かく、優しい気持ちになりました。

ひのひの編集部員デスク周り

最後お土産にいただいた畳はデスクに置いて、たまに匂いをかいで癒されています!(これ本当です!)

ありがとうございました。

ではまたっ!

  • この記事を書いた人

ひのひの編集部

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